高齢者

アラキドン酸とcoxにより作られるPGE2

アラキドン酸とcoxにより作り出される物質の1つであるPGE2は痛みや炎症との密接な関係性が確認されています。
このPGE2は正式名称をプロスタグランジンE2と称する炎症物質の一種であります。 この「痛み」をどのように緩和するかに関し、現在もさまざまな角度からの研究が続けられているのです。 私達にとって実は大変重要かつ密接な物質だと言えるのです。

例えば私達が何らかの怪我を負った場合、当然その部分の組織は損傷してしまい、細胞膜が壊れます。
この細胞膜に存在しているリン脂質が作用してアラキドン酸が製造されます。
私達が怪我を負った際に覚える「痛み」が、この新たなアラキドン酸の製造過程そのものであり、先述のPGE2の存在と働きなのです。

この事実から「怪我を負った箇所にアラキドン酸が製造される前に、この作用を誘発する酵素であるcoxの働きを事前抑制すればいいのです。 結果痛みの除去に繋がる」との理論が浮上します。
この理論を実践する上で用いられるのが、皆さんもその名称をご存知の「ステロイド剤」です。 しかしこれには強い副作用が避けられず、安易に用いる事や常用は大変危険です。
そこでリスクを極力排除して、アラキドン酸と関連して炎症物質であるPGE2を製造するcoxの存在自体を除去するべきです。 その為、非ステロイド系の炎症鎮痛剤が現在メインで治療に用いられているのです。

PGE2自体は決して「悪しき物質」とは言い切れません。 しかし、私達の知覚に「痛み」を伝える役割を担ってしまう存在であり、痛みは大きな苦痛を伴います。
私達の体内からPGE2自体を完全に排除してしまった場合はどうでしょう。 怪我を負っていない他の部位への悪影響が懸念される事も確認されており、そうした医療行為は望めません。
私達の肉体は総合的な自己治癒を最優先して動きや変化を見せる為、一時的な「痛み」「苦痛」といった負の感覚を伴ってしまうのは皮肉です。
この問題点をクリアすべく、医薬品や医療ノウハウの開発研究を通じ、私達の痛みの緩和に対する努力が今日も脈々と続けられています。